■江戸のふるさと岡崎 -多色摺りゴム印版画-
岡崎城(愛知県岡崎市 徳川家康の誕生した城)岡崎城には徳川家康の生誕時に金色の龍が昇ったという逸話がある。三河地方では桜の名所として知られており、春には城から乙川沿いの桜を見に花見客が集い、夏には花火大会、秋には七五三の子ども達、結婚式や初詣に城内の龍城神社へ、と岡崎市民の春夏秋冬を彩る場所と言える。家康の忍耐強い教えは知らずと市民へ伝わっている。作品には作者の好きな春の岡崎城を選び5種類の手彫りゴム印を別々に彫刻し、重ね摺りをして本作品を完成させた。
[素材] 彫刻用ゴム
[大きさ] 145mm×125mm×3mm
[彫刻内容] 岡崎城(黒) 桜2種(薄ピンク 濃ピンク) 空2種(薄青、濃青)
[文字書体] 行書
[彫刻方法] 完全手彫り
[制作年] 2011年
■蛙 ~井の中の蛙 繋げる想い~
日本での蛙は身近な存在で、食物連鎖でも重要な位置にある。しかし現在のペースで減少すると百年以内の絶滅説もある。名は他に移しても必ず元の所に「帰る」性質に由来するという。この蛙のように日本に沢山いた手彫職人は既に「絶滅危惧種」とも言える存在だ。蛙を他人に思えない事情が自分にはある。伝統を繋ぐ匠の想い、必ず元の所に帰る蛙の想い、を重ね本作品作った。井の中の蛙大海を知らず(されど空の高さを知る)。龍のように空高く飛ぶ日を思い描き、機械化の世界の井の中の蛙となっても僕は空を眺めたい。いつか次世代の子供に技術を伝える日がくる事を願いつつ・・・
[素材] 龍 本柘(ほんつげ 日本 鹿児島産) 蛙 彫刻用ゴム
[大きさ] 龍 35mm角駒材
蛙 98mm×117mm×3mm
[彫刻内容] 彫刻文字 温故知新
[文字書体] 小篆
[彫刻方法] 完全手彫り
[制作年] 2012年
[取材歴] MONOマガジン2016掲載作品
TBSテレビ 「マツコの知らない世界」にて紹介
■祝印 ~慶びの日に贈るきみ達への贈り物~
「印章」は守るものが出来た時に初めて必要になる。結婚するわが子に 印章を彫ってあげるのは親として最後のプレゼントかもしれない。だからこそ 思いを籠めた印章を君に与えたい。
(これは 僕にとって 20年後の話)
20年後のきみへ 結婚おめでとう。
きみが誕生した瞬間を僕は今でも覚えている。お母さんの胸の上で ゆっくりと目を開け、
手足を伸ばす。きみの小さな手と僕の手を比べて明日への希望を見つけた。それから想いを籠めてきみに名前をプレゼントして・・・
あれから20年。たくさんの想い出と幸せを与えてくれてありがとう。きみは大人になって、新しい家族を作り新しい未来を手にする。
だから、お祝いに僕は君に最後のプレゼント。
君の名が彫ってある印章を。
[素材] 丸印 本柘 鶴亀 彫刻用ゴム
[大きさ] 丸印 13.5mm×60mm丈 丸印 15mm×60mm丈
[彫刻内容] 明良、神尾時啓
[文字書体] 小篆
[彫刻方法] 完全手彫り
[制作年] 2013年
[取材歴] TBSテレビ 「マツコの知らない世界」にて紹介
【おでかけ中】道の駅藤川宿展示コーナーにて常設展示中
■Re 印章 -循環型江戸社会への敬意をこめて-
改刻(表面をすり、彫り直す)とは違い、欠けた印面を修復する技術。長年共に歩んだ印章を大切にする想いを支えたいとの想いから技術を磨いた。作者の郷土である岡崎市の英雄、徳川家康の作った江戸。世界的にも群を抜いたエコ社会であったという。それを支えたのは当時の腕利きの職人たちの技である。そんな美しい江戸の粋な職人達への尊敬と憧れを胸に、自身は印章の修復技術に日々精進している。大切な人から貰った想い出の印章が欠けてしまった時、「なおす」という選択肢があることは きっと「粋」なのではないだろうか。
[素材] 本柘(30年前のもの。枠が破損している)
[大きさ] 15mm×60mm丈
[彫刻内容] 神尾印房之印
[文字書体] 印篆
[彫刻方法] 完全手彫り
[制作年] 2015年
■継承印~跡を継ぐ決意の証~
事業の顔として社名や屋号を彫刻した角印は請求書や領収書等に使用する法人用認印。(小さめの印章は30年前に先代が彫刻した角印)
一代目として事業をこつこつ始め、共に歩んだ数十年、人が歳を重ねるように、角印も朱に混じり四隅が欠け始める。そんな時に次世代の継承者が現れ、新しい角印もまた作られる。それは古くなったから・・だけとは思わない。先代の跡を継ぐ決意の証としての「継承印」であると考えた。本作品が角印なのは2代目である作者自身が先代の作った角印を使い、そして新しく彫り直したことに起因する。
「あなたの跡を継ぐ決意の証として」この印章を作った。先代と共に歩んだ角印への感謝と共に・・・
[素材] 本柘
[大きさ] 24mm角×60mm
[彫刻内容] 神尾印房之印
[文字書体] 小篆
[彫刻方法] 完全手彫り
[制作年] 2014年
■二〇印 -はたちのしるし-
誕生した際に希望を篭めて付けた名前を、印章に刻み兜に配した。生まれてから20年。一人前の成人となる元服の儀式になぞらえ、決意の証しとしての印章を贈る。
大金星とは、明らかに格上の相手に勝つ意。社会に出て、自分なりの大金星をあげるキミを夢見て、親からの最大のエールを贈ります。
「〇〇家長男、〇〇へ 父より」 平成28年8月吉日
[素材] 丸印 本柘 彫刻ゴム
[大きさ] 24mm×60mm
[彫刻内容] 大金星 鳳凰の図柄
兜 祝御成人 平成二八年八月吉日
[文字書体] 小篆
[彫刻方法] 完全手彫り
[制作年] 2016年
【おでかけ中】岡崎商工会議所入口展示コーナーに常設展示中